Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
のわき
野分
山本 周五郎
Lisez 野分 (のわき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 401 caractères · 42 écrans
「早くして貰いたいな」又三郎は右手をふところへ入れながら云った、「……どこへゆくのか知らないが寒くってしようがない」
「寒いだけで済めばお仕合せです」
冷笑するように云ったまま、彼等は川沿いに三丁あまり東へゆき、材木蔵の空地を右に折れた。そこに亀戸村の飛地がある。一方は堀に面した道で右側はかなり広く草原と畑が続いている、そこまで来ると人家も遠く、堀を隔てて東は殆んど荒地と畑と雑木林ばかりだった。……彼等は又三郎を枯草の中へ伴れこみ、そのまわりに輪をつくって立った。
「簡単に申しましょう」初めに呼びかけた男がかなり歯切れのいい調子で、こう云いだした、「……先頃から御家の跡目決定に就いて、家中に種々の説をなす者があり、或る人々はこなたを直すよう奔走していると聞きました、然もその人々はまず殿の御意志を枉げ、多数の者を語らって無理押しに事を決めようとしている模様です、我われも勿論、こなたが殿の御胤だということは聞きました、それに相違ないとは信じますが、いちど楢岡という家臣の子になり、家臣としてお育ちなすったことは消すわけにはまいらない、そして家臣から主君を迎えるとなると、戸沢家将来の綱紀が紊れるのはわかりきったことです、我われは断じて承服ができません」