Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
のわき
野分
山本 周五郎
Lisez 野分 (のわき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 401 caractères · 42 écrans
そして卒然とそこにいる男たちが憎くなった、ふしぎな感情である、今日までこの問題に就いてずいぶん考えもし苦しみもしたが、能登守正陟に対して「父」という気持をもったことはない、親子などという考えはまるっきり頭に浮ばなかった。それがいま痛いほど鮮やかな実感ではげしく心を緊めつけた。自分の言葉を信じない彼等の頑迷さ、あす父に対面しようとする子を、その直前に斬ろうとする非道、又三郎は生れて初めて火のような憎悪と忿怒に駆られた。
「そうすると貴公たちは、是が非でもここでおれを斬ろうというのだな」
「戸沢家六万八千石の社稷を守るためにです、あなた個人を斬るのではない、戸沢家の社稷の害となる存在を斬るのです」
「七人と一人では」と又三郎は頭を垂れて云った、「……とうていれるみちは」
そう云いかけた彼は、とつぜん人が違ったようにすばらしい呼吸で身を翻した、頭を垂れた上躰が右へ傾くとみえ、人々が誘われるようにそっちへ寄ったとたん、又三郎は右足で強く地を蹴り、あの肥えた小男に猛烈な躰当りをくれると、そのままつぶてのように道へ疾走していた。……生きるんだ、ここで死んではならない、生きるんだ、どんなことをしても。