Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

のわき

野分

山本 周五郎

Lisez 野分 (のわき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 401 caractères · 42 écrans

Aozora Bunko

、……聞いてるのかお紋、妾だ、妾だぜ、それからこのおれも一生飼い殺しにして呉れるとよ」

「あんまりだお祖父さん、そんなこと、若さまがそんなことを」

「云ったんだ、そればかりじゃあねえ、おれが返辞に困っていると、いざを云うとでも思ったんだろう、これまで酒肴代として渡してある金はしめてこれこれになる、口では云わないがあれはその手付の積りなんだ、手付を受取った以上いなやは云わせない、五六日うちに迎えをやるから支度をして置け、……こうだお紋」

「よして、もうよして、お祖父さん」お紋は袂でひしと面を掩い、はげしくかぶりを振りながら叫んだ、「……本当とは思えない、お祖父さんが云うのでなければ、あたしにはとても本当とは思えないわ、でもよくわかってよ、人間なんて、人間の心なんて、いざとなってみなければ知れないものね」

「おれがどんなに、どんなに、辛いか、おまえにそれがわかったらなあ……」老人はこう云うと再びそこへ俯向けに倒れ、腕の上へ顔を伏せてしまった、その腕はたちまち老人の眼から溢れ出る涙のために、濡れていった。

「泣かないで、お祖父さん」お紋は片手を伸ばして藤七の背をしずかに撫でた、「……あたしなんかなんでもなくってよ、それよりお祖父さんが可哀そうだわ、あんなに気が合っていたんだのに、あんなに楽しそうに呑んだり話したりしてい