Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

のわき

野分

夏目 漱石

Lisez 野分 (のわき) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 93 508 caractères · 189 écrans

Aozora Bunko

「苦しいです」

「知ってますか」と道也先生は淋し気に笑った。

「知ってるつもりですけれど、いつまでもこう苦しくっちゃ……」

「やり切れませんか。あなたは御両親が御在りか」

「母だけ田舎にいます」

「おっかさんだけ?」

「ええ」

「御母さんだけでもあれば結構だ」

「なかなか結構でないです。――早くどうかしてやらないと、もう年を取っていますから。私が卒業したら、どうか出来るだろうと思ってたのですが……」

「さよう、近頃のように卒業生が殖えちゃ、ちょっと、口を得るのが困難ですね。――どうです、田舎の学校へ行く気はないですか」

「時々は田舎へ行こうとも思うんですが……」

「またいやになるかね。――そうさ、あまり勧められもしない。私も田舎の学校はだいぶ経験があるが」

「先生は……」と言いかけたが、また昔の事を云い出しにくくなった。

「ええ?」と道也は何も知らぬ気である。

「先生は――あの――江湖雑誌を御編輯になると云う事ですが、本当にそうなんで」

「ええ、この間から引き受けてやっています」

「今月の論説に解脱と拘泥と云うのがありましたが、あの憂世子と云うのは……」

「あれは、わたしです。読みましたか」