Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぎんのペンセル
銀のペンセル
小川 未明
Lisez 銀のペンセル (ぎんのペンセル) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 2 618 caractères · 6 écrans
高山植物は、都会へ持ってくるとしおれてしまいました。
「どうかして根のつくように。」と、勇ちゃんは高い物干し台の上に、こけももとうめばちそうの鉢を持ってきておいたのです。青い青い夜の空は、遠く、北の方に垂れかかっていました。そのかなたには、これらの植物のふるさとがありました。星の光が高原の空にかがやいたように、夜ふけの空にきらめき、さすがに、都会にも、秋がきたのを思わせて、風がひやひやとしました。
「ここに置いたら、山にいるような気がして、根がつくかもしれぬ。」と、勇ちゃんは、少年の取ってくれた草花を大事にかばいました。そしてあくる日、夜の明けるのを待って、物干し台に上がってみますと、なんとしても、だますことはできなく、うめばちそうの白い花は頭を垂れ、こけももの細かい美しい葉は幾分か黄ばんでいるのです。
あの清浄な、高い山でなければ、これらの草花は育たないことを知りました。勇ちゃんは、それから毎晩のように物干し台に上がって、青い夜の空をながめながら、高い山や、少年のことを思い出していました。白々として、銀のペンセルのように、天の川が、しんとした、夜の空を流れて、その端を地平線に没していました。