Classiques japonais avec furigana
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かいひいちようちょう
開扉一妖帖
泉 鏡花
Lisez 開扉一妖帖 (かいひいちようちょう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 898 caractères · 40 écrans
」
信也氏は思わず内端に袖を払った。
「見た時は、もっとも、気もぼっとしましたから。今思うと、――ぞっこん、これが、目にしみついていますから、私が背負っている……雪おんな……」
(や、浜町の夜更の雨に――
……雪おんな……
唄いさして、ふと消えた。……)
「?……雪おんな。」
「ここに背負っておりますわ。それに実に、見事な絵でござんすわ。」
と、肩に斜なその紫包を、胸でといた端もきれいに、片手で捧げた肱に靡いて、衣紋も褄も整然とした。
「絵ですか、……誰の絵なんです。」
「あら、御存じない?……あなた、鴾先生のじゃありませんか。」
「ええ、鴾君が、いつね、その絵を。」
(いままだ、銀座裏で飲んでいよう、すました顔して、すくすくと銚子の数を並べて。)
「つい近頃だと言いますよ。それも、わけがありましてね、私が今夜、――その酒場へ、槍、鉄棒で押掛けたといいました。やっぱりその事でおかきなすったんだけれどもね。まあ、お目にかけますわ……お待なさい。ここは、廊下で、途中だし、下へ出た処で、往来と……ああ、ちょっとこの部屋へ入りましょうか。」
「名札はかかっていないけれど、いいかな。