Classiques japonais avec furigana
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かいひいちようちょう
開扉一妖帖
泉 鏡花
Lisez 開扉一妖帖 (かいひいちようちょう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 898 caractères · 40 écrans
袴が、と吃驚すると、お囃子が雛壇で、目だの、鼓の手、笛の口が動くと思うと、ああ、遠い高い処、空の座敷で、イヤアと冴えて、太鼓の掛声、それが聞覚えた、京千代ちい姐。
……ものの形をしたものは、こわいように、生きていますわね。
――やがてだわね、大きな樹の下の、畷から入口の、牛小屋だが、厩だかで、がたんがたん、騒しい音がしました。すっと立って若い人が、その方へ行きましたっけ。もう返った時は、ひっそり。苧殻の燃さし、藁の人形を揃えて、くべて、逆縁ながらと、土瓶をしたんで、ざあ、ちゅうと皆消えると、夜あらしが、颯と吹いて、月が真暗になって、しんとする。(行きましょう、行きましょう。)ぞっと私は凄くなって、若い人の袖を引張って、見はるかしの田畝道へ。……ほっとして、
(聞かして下さいまし、どんなお方)。
(私か。)
(あなた。)
(森の祠の、金勢明神。)
(…………)
(男の勢だ。)
(キャア。)
話に聞いた振袖新造が――台のものあらしといって、大びけ過ぎに女郎屋の廊下へ出ましたと――狸に抱かれたような声を出して、夢中で小一町駆出しましたが、振向いても、立って待っても、影も形も見えません、もう朝もやが白んで来ました。