Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おかめ
阿亀
豊島 与志雄
Lisez 阿亀 (おかめ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 900 caractères · 14 écrans
天井の高い広間の明るみの中に、白々と浮出していながら、殆んど人の注意を惹かないくらいまで、安らかに落着き払っていた。
が、或る晩、その阿亀の面が、本当ににこにこっと笑い出した、と云って佐竹謙次郎が、次のような話をした。
風がなくて、霧が深かった。満腹していた。酒の酔が、全身に隈なく廻っていた。うまい煙草でも吹かしたい気持だった。――だから、僕は木谷についていった、もう十時過ぎだというのに。
「十時といったって、撞球場ではまだ宵のうちだぜ。看板は十二時迄だが、大抵一時過ぎになるんだから。」
然し僕は、木谷みたいに、そこの家の常連ではない。それに、撞球はからっ下手でさほどの興味もない。ただ、赤と白との四つの象牙球が、表面に美しい光の反映を浮べながら、青羅紗の上をつつーと滑ったり、こーんとぶつかったりする、それを眺めてるのが好きなだけだ。
――煙草でも吹かして見物するか。
七八間先は見えないほどの濃霧だった。その中から、天井も壁も真白な広い撞球場の中に飛び込むと、心の眼がぽかっと開いたような工合だった。阿亀の面が、没表情な永遠な笑顔で、天井の一隅から見下している。