Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちんじょうしょ
陳情書
西尾 正
Lisez 陳情書 (ちんじょうしょ) de 西尾 正 (にしおただし) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 750 caractères · 38 écrans
十七八の素人か、悪くは無いな、だけど君達の言う事は当にならないんでね、と私は平凡な誘惑に対して平凡な答をしますと、男は慌てて吃り吃り、と、と、飛んでもない、旦那、ほ、ほんものなんでさあ、デパアトの売子なんで、……堪りゃせんぜ、あったく、サァヴィス百パアセットですよ。と掻き立て乍ら相不変にやついて居ります。売子だとすると朝は早えな、と訊きますと、へえ、其処を一つ勘弁なすって、何ひょろ、もう一つ職業が有りますんで、と揉手をし乍ら答えます。忙しいこったね、と此方もにやにやし乍ら冷かしますと、男は頭を押えて、へへへへ、此奴も不景気故でさあ、お袋が病気で動きがとれねえんで、そう云う事でもしないてえと――と、答えます。私は益々乗気になって、まさか、お前さんの娘じゃあるまいね、と追及すると、相手は急に間誤間誤し出して、と、と、飛んでもねえ、と、ムキになって否定しましたが、不図パセティックな調子となり、でも、沁々考げえりゃあ他人事じゃ御座んせん、と滾しました。並んで歩き乍らこんな会話を交わして居ると、知らない裡に遊廓の横門の前迄出て了いましたが、気付いて立ち止った時には私の心は其の男の案内に委せる可く決って居りました。