Classiques japonais avec furigana
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ずいひつぜにがたへいじ
随筆銭形平次
野村 胡堂
Lisez 随筆銭形平次 (ずいひつぜにがたへいじ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 840 caractères · 10 écrans
若い作家達の並々ならぬ協力と、地元の物心両方面の熱心なる後援のお蔭ではあったにしても、あの成功は確かに時運のせいであり、世の期待があの威儀を生んだといっても間違いはないだろうと思う。
恐らく架空の人物に違いあるまいと思われる、半七のために塚を作ることについては、いろいろの物語はあった。最初あの委員達の会合の席上で、「小説戯曲中の人物で、墓や記念碑を建てられたものが幾人あるだろう」という、「話の泉」的な問題が持ち出され、大いに若い委員達のウンチクを傾けたことであった。今はその大部分を忘れてしまったが、それでも幾つかは記憶している。
回向院に有名な墓を遺している鼠小僧は、あるいは実在の人物であったかもしれないが、今となっては小説と戯曲中の美化された侠賊であり、谷中に墓を遺した毒婦高橋お伝と共に時の浄化によって、憎めない存在になっていることは大方の知っている通りだ。
熱海に尾崎紅葉の「金色夜叉」の碑あり、逗子には「不如帰」の浪子不動が土地の名物として存在を主張している。雑司ヶ谷の島村抱月、松井須磨子の比翼塚は、生々しい記憶が付き纏っているが浅草には白井権八と小紫の比翼塚が伝説的な存在として、実話とはおよそ縁の遠い懐かしさを感じさせる。