Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゆきしろやまめ

雪代山女魚

佐藤 垢石

Lisez 雪代山女魚 (ゆきしろやまめ) de 佐藤 垢石 (さとうこうせき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 297 caractères · 19 écrans

Aozora Bunko

山の釣り人はこれを雪代山女魚といっている。また、肉充ち脂乗って、味覚に溶け込む風趣を持ってくるのは、初夏から、渓水の涼風肌を慰める土用頃である。これを至味の変と言う。

近年、都会人に渓流魚釣りの技が普及して、三月の声を聞くともう、魚籠を腰にして東京に近い渓谷へ我れも我れもと分け入り、重たいほど釣り溜めて帰ってくる。そして、渓流魚釣りは世間で言うほどむずかしいものではない、と語るが渓流魚釣りの真髄を味わい得るのは、山女魚の活動が敏捷になった初夏の候、谷の流れが澄明、底石の姿がはっきりとなる、朝と夕べのまずめであろう。

くさむらから香りの高い山百合が覗く崖の下に立って、羽虫に似た毛鈎を繰り、上下の対岸から手前の方下流へ、チョンチョンチョン、水面を叩きながら引き寄せるうち、ガバと水をわって躍り出す山女魚の姿を見るのは、晩春の夕陽が山頂の西の雲を緋に染めた一刻である。ひらひらと水鳥の白羽を道糸の目印につけて、鈎を流水の中層に流す餌にも山女魚の餌につく振舞に、何とも言えぬ興趣を感ずる。毛鈎の叩き釣りの豪快には比すべくもない。

引く、引く。鈎をくわえて水の中層を下流に向かって逸走の動作に帰れば、竿の穂先は折れんばかりに撓む。