Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ゆきま
雪間
久生 十蘭
Lisez 雪間 (ゆきま) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 817 caractères · 24 écrans
なにを言うひまもない。襟がみを掴んだままズルズルと押して行き、赤針樅の幹にこじりつけると、いまのところ撲りつけることしか考えないといったように、息をきらしながら頭のところをむやみに撲りはじめた。
伊沢は両手で顔をふせぎながら、されるままにぐにゃぐにゃしていたが、いつまでたってもやめない。正体のない暴れかたをするところをみると、酔っているのかもしれない。いい加減にやめさせるほうがいい。
「もういいだろう。それくらいにしておけ」
ふりかえりざま手でおしてやると、そうしようと思ったわけでもなかったのに、相手の胸を強く突いたらしく、見事な尻餅をついてあおのけにひっくりかえった。
「ぬすっとう」
とその男が悲鳴をあげた。
勝手の戸があいて、誰かこっちへ走ってきた。書生らしい骨太の青年が、いきなり伊沢の手をねじりあげておいて、
「こいつ」と背中の真中を強く突いた。
これが今夜一番の痛手だった。舌が縮まって息がつまり、伊沢は思わずそこへしゃがみこんでしまった。
「こんなところへ這いこんで来やがって……おい、あかりをつけてみろ」
尻餅をついた男が息巻くようにいった。笠原の声だった。