Classiques japonais avec furigana
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うんなんしゅびへい
雲南守備兵
木村 荘十
Lisez 雲南守備兵 (うんなんしゅびへい) de 木村 荘十 (きむらそうじゅう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 37 859 caractères · 76 écrans
彼は部下を呶鳴りつけて歩度を早めた。
石小屋というのは山を背負って低く、出張って銃眼のある櫓を持っていて、土と同じ色の塀に囲まれていた。
軽機を背後にかくして近づいて行くと、
「止れッ」
と衛兵が二人、狭い門の前で銃を構えて呶鳴った。
「交替兵だよ。守備隊長の命令書を持って来たんだ」
孫は、わざと自堕落な口調で馴々しく云った。
「見せろ! 一人だけ来い」
「遙々来たのに水臭いことを云う奴だな」
孫伍長は云い乍ら独りで近づいて行ったが、左右の銃眼から一人も通すまいと狙っているのを見ると大きな声で叫んだ。
「おい、隊長に莫迦な真似はやめろと云え。三十分以内に交替しないと砲撃されるぞ。向うの丘に砲を二門据えたのが見えないのか」
銃眼から銃口が音もなく消えた。
衛兵の一人が驚いて中へ駈け込んだ。と間もなく、大男の四十位の中尉が、帽子も被らず半ズボンで、鉄鞭を持って出て来た。
彼は生若い伍長が直立して敬礼するのに対して、馬鹿野郎と呶鳴った。軍人より匪賊という型だった。
「さっさと帰って隊長に云え。いきなり交替しろたア何だ。交替させるなら交替の出来るように色をつけてからしろ……ここの坑夫は五人に一人逃亡を狙っているんだからな。