Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

うんなんしゅびへい

雲南守備兵

木村 荘十

Lisez 雲南守備兵 (うんなんしゅびへい) de 木村 荘十 (きむらそうじゅう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 37 859 caractères · 76 écrans

Aozora Bunko

罵りながら軒先へ出て来た店の者は、軍曹の姿に慌てて追従笑いをした。

「つい、癖になるもんですから」

孫は、それに見向きもせず、

「可哀想に酷いことをしやがる。どうした。怪我をしやアしないか」

と云いながら、倒れている子供を抱き起した。

痩ッこけた手足、緑がかった青い皮膚、額から鼻のあたりまで酷い傷痕があって、両眼がつぶれている。

一見して鉱山でやられた犠牲者だった。

孫軍曹は、ぎょっとした様子で凝っと小孩の顔を見ていたが、堪らなくなったらしく面をそむけた。そして、泣きじゃくっている小孩をしっかり抱えて店の中へ入って来た。

店の者も、居合せた客達も、驚いて軍曹と乞食を見守った。

孫は店の者が、真青になって後退りをするほど、殺気を帯びた凄い顔をしていた。彼は、激しい怒りに、血走っているような鋭い眼を据え、歯を食いしばって、深い影を刻んだ頬のあたりを痙攣させていた。

「おい、あの軍曹じゃないか、黄中尉をやっつけた」

その囁きに、店の者は震え上った。

店の、とっつきに居た、年寄の客は、その様子を見ると、孫に席を譲りながら、

「それ見ろ、だから乱暴なことをするなと云ったのに……さ、よく謝った方がいいだろう」