Classiques japonais avec furigana
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でんしゃていりゅうじょう
電車停留場
豊島 与志雄
Lisez 電車停留場 (でんしゃていりゅうじょう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 082 caractères · 31 écrans
さあ云い分があるなら、云ってみろ。」
もう周囲にはぐるりと人が立並んでいた。「やれやれ!」という声も聞えた。電車の前方から、も一人の車掌と運転手とが降りてきた。木原藤次は少し離れて、手短かに事の顛末を述べていた。人々の気持が緊張して尖っているのが、その顔付にありあり見えていた。野口昌作は意外の敵に面喰って、あたりをじろりと見廻したが、その時何かしら彼の心に、どっしりこたえたものがあった。自分の方に好意を寄せていない群集の好奇心から来たものなのか、或は、自分より幾倍も強そうな相手の男の腕っ節から来たものなのか、或は、人だかりのしてる街路のざわめいた物影から来たものなのか、何れとも分らなかったが、兎に角それがどっしりと彼の心へのしかかってきた。彼は無理にそれをはねのけようとする気で、我を忘れて一二歩進み出た。
「何だ貴様は、横合から飛び出してきて、失敬な、其処を退け!」
「何を! も一度云ってみろ。馬鹿!」と男は頭から怒鳴りつけた。「乗り降りの客の邪魔をしといて、おまけに車内で煙草を吸おうとしたくせに、あべこべに車掌へねじこんでいったのは、皆が見てる通りだ。