Classiques japonais avec furigana
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せいねんのしさくのために
青年の思索のために
下村 湖人
Lisez 青年の思索のために (せいねんのしさくのために) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 102 550 caractères · 203 écrans
それでもう大丈夫だと思って、その貯金箱をあけて見ると、恥ずかしながら、四百五十枚の銅貨がたまっていた。この四百五十枚は、自分の罪の記録だから、それを再び自分のものにはしたくない。ざんげをして罪を洗い流す意味で、何か適当な事業に寄附したい、というのであります。
一年間に四百五十回腹を立てたとすると、毎日平均一回以上腹を立てたことになります。そんなにしばしば腹を立てたのかとおどろいてはなりません。わたくしは、むしろ、それほど見事な心がけをもっていた交換手に、それほどしばしば腹を立てさせた一般社会の人々に文句がいいたいのです。
もし一般社会の人々に、この交換手の爪のあかでもせんじて飲むほどの心構えがあり、反省心があったら、単に電話交換の仕事がなめらかに運ぶだけでなく、世の中全体がどんなにほがらかになって行くことでしょう。
今更いうまでもなく、すべての言動の責任は、どんな事情の下においても、その言語者自身が負うべきものであります。これは人間が人間として生きるために忘れてならない原則でありまして、この原則は、人間自由の原則と表裏一体をなすものであります。そしてこの原則に従って生きようとするところに、人間の苦悩もありますが、また同時に光栄もあるわけであります。