Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

せいしゅんのぎゃくせつ

青春の逆説

織田 作之助

Lisez 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 593 caractères · 325 écrans

Aozora Bunko

もっとも、もし豹一がそこで女の顔を見れば、為すべきことが未だ少し残っていると思ったかも知れない。――女はぷっとふくれた顔をしていた。豹一があまり早く手を離したので、莫迦にされたと思ったのである。そんな不満な表情を見れば、豹一のことだから、嫌われたのだと早合点して、もう一度握りかえさねばと、思い直したことであろう。――しかし、もっけの倖いには、豹一はそんな無駄なことをせずに済んだ。

銀紙の玉を投げた男がいきなり傍によって来たからである。男の手が女を退けるまえに、女は傍を離れた。その時、まるでわざとのようにルンバの曲がやんだ。レコードを仕かえるまで、少し間があった。

「あんさんとは今日こんお初にござんす……」案の定、わざとらしいはったりの仁義を掛けて来た。鼻に掛った声だった。「……野郎若輩ながら、軒下三寸を借りうけましての仁義失礼さんにござんす……」そうして、男は聴馴れぬ調子でぺらぺら喋り立てたが、再び電気蓄音機が鳴り出したので、はっきり聴きとれなかった。曲は「赤い翼」。豹一は自分が案外落着いているのを嬉しく思った。

「表へ出くされ!」柄のわるい妙な大阪訛で男がいった。