Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
せいしゅんろん
青春論
Lisez 青春論 (せいしゅんろん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 34 657 caractères · 69 écrans
そんなことがバイブルにでも書いてあったかな。書いてあったかも知れぬ。けれども、魂の孤独などは知らない方が幸福だと僕は思う。女房のカツレツを満足して食べ、安眠して、死んでしまう方が倖せだ。僕はこの夏新潟へ帰り、たくさんの愛すべき姪達と友達になって、僕の小説を読ましてくれとせがまれた時には、ほんとに困った。すくなくとも、僕は人の役に多少でも立ちたいために、小説を書いている。けれども、それは、心に病ある人の催眠薬としてだけだ。心に病なき人にとっては、ただ毒薬であるにすぎない。僕は僕の姪たちが、僕の処方の催眠薬をかりなくとも満足に安眠できるような、平凡な、小さな幸福を希っているのだ。
数年前、二十歳で死んだ姪があった。この娘は八ツの頃から結核性関節炎で、冬は割合いいのだが夏が悪いので、暖くなると東京へ来て、僕の家へ病臥し、一ヶ月に一度ぐらいずつギブスを取換えに病院へ行く。ギブスを取換える頃になると、膿の臭気が家中に漂って、やりきれなかったものである。傷口は下腹部から股のあたりで、穴が十一ぐらいあいていたそうだ。
八ツの年から病臥したきりで発育が尋常でないから、十九の時でも肉体精神ともに十三四ぐらいだった。