Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
せいしゅんろん
青春論
Lisez 青春論 (せいしゅんろん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 34 657 caractères · 69 écrans
何べんも渡航を催促する飛脚が来たが、彼は耳をかさず丹念に木刀をきざんだ。四尺一寸八分の木刀を作ったのである。
元来、小次郎は三尺余寸の「物干竿」とよばれた大剣を使い、それが甚だ有名であった。武蔵も三尺八分の例外的な大刀を帯びてはいたが、物干竿の長さには及ばぬ。のみならず小次郎は速剣で、この長い剣を振り下すと同時に返して打つ。この返しが小次郎独特の虎切剣であった。これに応ずるには、虎切剣のとどかぬ処から、片手打に手を延ばして打つ、これが武蔵の戦法で、特殊な木刀を作ったのもそのためだった。
武蔵は三時間おくれて船島へついた。遠浅だったので武蔵は水中へ降りた。小次郎は待ち疲れて大いに苛立っており、武蔵の降りるのを見ると憤然波打際まで走ってきた。
「時間に遅れるとは何事だ。気おくれがしたのか」
小次郎は怒鳴ったが、武蔵は答えない。黙って小次郎の顔を見ている。武蔵の予期の通り小次郎益々怒った。大剣を抜き払うと同時に鞘を海中に投げすてて構えた。
「小次郎の負けだ」と武蔵が静かに言った。
「なぜ、俺の負けだ」
「勝つつもりなら、鞘を水中へ捨てる筈はなかろう」
この間答は武蔵一生の圧巻だと僕は思う。