Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かばんらしくないかばん

鞄らしくない鞄

海野 十三

Lisez 鞄らしくない鞄 (かばんらしくないかばん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 36 653 caractères · 73 écrans

Aozora Bunko

とうとう赤見沢博士は、背広姿のまま、室内にぶら下った。博士の足が、実験台よりもすこし高くなったところで、小山嬢は、手にしていた綱を壁際の鉄格子にしっかりと結びつけた。そして首吊り博士の下までやって来て、美貌の男の方へ何とかいって、博士の足を指した。

田鍋課長は先刻から愕きの連続で、息が詰まる想いだった。かねて怪しいと睨んでいた小山すみれが、博士の首に綱をかけてくびり殺すところをまざまざと見せられ、全身の血は逆流した。現行犯にしても、これほど鮮かに恐ろしい現行犯を見たことは、今までにないことだった。彼は、自分が部下の肩車に乗っていることを忘れて、窓を叩き割ろうとして、帆村に停められた。

「ちょっと、静かに……」

帆村は、室内を指した。

小山嬢は博士のズボンを手にとって、ズボンの裾を持ち上げた。

奇怪なことに、そのズボンには脚が入っていなかった。つまりズボンだけであった。

小山嬢は、実験台の下に跼むと、間もなく台の上に大きな靴を持出した。彼女はそれを博士のズボンの下のところへ持っていって、靴をはかせるような恰好をしてみせ、それから靴をまた台の上へ置いた。