Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

すまでらふきん

須磨寺附近

山本 周五郎

Lisez 須磨寺附近 (すまでらふきん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 396 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

「我慢なさい」

程経て康子がそう呟いた、そして清三の手を蒲団の下に入れて、立って階下へ去った。清三は干き切った唇を噛みながら、「我慢なさい、我慢なさい」と口の内で呟いた。

明る朝清三は十三弦の音の中で眼を覚した、なにかなしに微笑まれた。そして長いあいだその琴の音の中に身を溺れさせた。

青木が上って来て、具合はどうだいと云った、これから社へ行くが、喰べたいものがあるなら買って来てやるぞと云った。清三は微笑しながら心からありがとうと答えた。

「おい、ちょっと」

去ろうとする青木を清三は呼び止めた。

「琴はあの人か」

「うん、うるさいだろう」

青木は悪戯らしく笑った。

「頭がすっとする、階下へ行ったら、いつまでも続けてくれるように云ってくれ」

「暢気だなあ」

青木は元気に去った、するとすぐ琴の音が止んだ。そして間もなく康子が来た。

「眠れましたか」

康子はそう云いながら含嗽茶碗を枕元に置く、清三は康子の顔を正面に見ることができなかった。

「電報が来たのを知ってらっしゃる?」

「ええ知っています」

「そう」

清三は黙って康子の言葉を待っている、が康子はそれきり何も云わなかった。