Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かぜのたより
風の便り
Lisez 風の便り (かぜのたより) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 044 caractères · 66 écrans
決して、お怨みしているのではございません。とんでも無いことであります。その点は、なにとぞ御放念下さい。私は、けさの簡単なお葉書のお言葉に依って、私の身の程を、はっきり知らされたのです。かえって有難く思って居ります。こうして書いているうちにも、だんだんはっきり判って来ます。つまり、けさ私がお葉書をいただいて、その葉書の処置に窮して、うろうろしたのは、自分の身の程を知らされて狼狽していただけの事でありました。少しは私にも、作家としての誇りもあったのでしょう、その誇りのやり場に窮して、うろうろあのお葉書を持ち廻っていたのに違いありません。私は、はじめから、やり直します。さらに素直に、心掛けます。
「華厳」を、あれから、もう一度、ゆっくり読みかえしてみました。最初、お照が髪を梳いて抜毛を丸めて、無雑作に庭に投げ捨て、立ち上るところがありますけれど、あの一行半ばかりの描写で、お照さんの肉体も宿命も、自然に首肯出来ますので、思わず私は微笑みました。庭の苔の描写は、余計のように思われましたけれど、なお、もう一度、読みかえしてみるつもりであります。雨後の華厳の滝のところは、ただもう、にこにこしてしまいました。