Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かぜのたより
風の便り
Lisez 風の便り (かぜのたより) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 044 caractères · 66 écrans
寄るな! 寄るな!」とわめいて両手を胸に当て、ひとりで身悶えするのですが、なんとも、まずい形でした。私は酔いも醒め、すっかりまじめな気持になってしまって、「誰も君に寄りやしないじゃないか。坐り給え。僕が悪かったよ。銃後の女性は皆、君のようにしっかりしていなければいけないね。」などと言ってほめてやりましたが、女中は、いかにも私を軽蔑し果てたというように、フンと言って、襟を掻き合せ、澄まして部屋から出て行きました。私は残ったお酒をぐいぐい呑み、ひとりでごはんをよそって食べましたが、実にばからしい気持でした。藤十郎が、こんなひどい目に遇うとは、思いも設けなかった事でした。とかく、むかしの伝説どおりには行かないものです。「何しるでえ!」には、おどろきました。インスピレエションも何もあったものではありません。これでは藤十郎のほうで、くやしく恥ずかしくて形がつかず、首をくくらなければなりません。その夜、お膳を下げに来たのも、蒲団を伸べに来たのも、あの外八文字ではありませんでした。痩せて皮膚のきたない、狐のような顔をした四十くらいの女中でした。この女中までが私を変に警戒しているようなふうなので、私は、うんざりしました。