Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しょくま
食魔
岡本 かの子
Lisez 食魔 (しょくま) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 36 911 caractères · 74 écrans
家鴨の血をアルコールランプにかけた料理盤で掻き混ぜてみると上品なしる粉ほどの濃さや粘りとなった。これを塩胡椒し、家鴨の肉の截片を入れてちょっと煮込んで食べるのだが、鼈四郎は味見をしてみるのに血生臭いことはなかった。巴里の有名な鴨料理店の家の芸の一つでまず凝った贅沢料理に属するものだと病友はいった。鰻の寄せものは伊太利移民の貧民街などで辻売している食品で、下層階級の食べものだといった。うまいものではなかった。病友はそれらの食品にまつわる思い出でも楽しむのか、慥えてやってもろくに食べもしないで、しかし次々にふらふらと思い出しては註文した。鴨のない時期に、鴨に似た若い家鴨を探したり、夏長けて莢は硬ばってしまった中からしなやかな莢隠元を求めたり鼈四郎は、走り廻った。病友はまたずっと溯った幼時の思い出を懐しもうとするのか、フライパンで文字焼を焼かせたり、炮烙で焼芋を作らせたりした。
これ等を鼈四郎は、病友が一期の名残りと思えばこそ奔走しても望みを叶えさしてやるのだが、病友はこれ等を娯しみ終りまだ薬の気が切れずに上機嫌の続く場合に、鼈四郎を遊び相手に労すのにはさすがの鼈四郎も、病友が憎くなった。