Classiques japonais avec furigana
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くびちょうだい
首頂戴
国枝 史郎
Lisez 首頂戴 (くびちょうだい) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 756 caractères · 20 écrans
遣り損なうに相違ない。相手はあれ程の人物だからな。そこへこの俺が付け込むのだ。と、村正が役立つのよ」
春の日がだんだん暮れようとする。
街道を通る旅人の足が、泊りを急ぐのかあわただしい。
二
「ほほう不思議な乞食だの」こういったのは総髪の武士。「淀川堤の蒲鉾小屋でな?」
「茶を立て香を焚き遊女を侍らせ、悠々くらしておりますそうで」こういったのは頬髯の濃い武士。「しかも素晴らしい名刀を所持しておるとかいうことで」
大坂心齋橋松屋という旅籠、奥まった部屋での話しである。
「で、貴公、どう思うな?」
こう訊いたのは総髪の武士、相手を験すらしい口調である。
「さよう」といったのは頬髯の濃い武士。「由縁ある武士が乞食に窶し……」
「親の仇でも討とうというので?」
「いかがかな、この見立ては?」
「どういうところから思い付かれたな?」
「名刀所持とあってみれば……」
「だが時々その名刀を、スッパ抜いて見るというではないか」
「それが何とか致しましたかな?」
総髪の武士笑ったが、「目付かる敵でも逃げてしまうよ」
「ははあ」といったが解らないらしい。
「俺は敵討ちだ敵討ちだ、披露目をしているようなものだからの。