Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こうでん

香奠

豊島 与志雄

Lisez 香奠 (こうでん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 989 caractères · 46 écrans

Aozora Bunko

そして最後に、私の胸の中だけに秘めてることを御話し致しましょう。

母上

私がその翌朝早くやって行きました時、妻と看護婦とは死体の側にぼんやりしていました。私は死体の枕頭に端坐して、顔の白布を一寸取って、最後の別れを告げました。額や頬の皮膚が妙に蒼脹れしてるのに、眼だけが深く落ち凹んでいて、土色の唇がかさかさに皺寄っていました。私はまたそっと白布をかけました。

「昨夜夜中にふいに起き上って、国へ帰るんだと云って立上ろうとなさるんです。それを二人でようよう寝かしつけましたが、もう全く夢中でした。国へ帰りたいと譫言のように云い続けて、それからもう舌が廻らなくなって、二三時間後にいけなくなりました。」

夢をでもみてるような我を忘れた調子で、妻はそんなことを云いました。

西向きの古ぼけた六畳で、室の中が何だか薄暗く陰気でした。浅い床の間の書棚には、むずかしい哲学の書物と卑俗な小説の書物とが、変な対照をなしてぎっしり並んでいました。窓の障子を開くと、日の光を遮るほど鬱蒼と、大小種々の鉢植が並んでいます。更にその間から覗くと、眼の下に煉瓦塀があって、塀の外には低い古びた平屋根があり、その軒へ不細工につぎ足した新らしいトタン板が、露に濡れてきらきらと異様に光っています。