Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
げかしつ
高野聖
泉 鏡花
Lisez 高野聖 (げかしつ) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 51 264 caractères · 104 écrans
「酒手なんぞは戴かなくっても、十分骨は折ってるです」
世話人は冷笑いぬ。
「そんなりっぱな口を※いたって、約束が違や世話はねえ」
御者はきと振り顧りて、
「なんですと?」
「この馬車は腕車より迅いという約束だぜ」
儼然として御者は答えぬ。
「そんなお約束はしません」
「おっと、そうは言わせない。なるほど私たちにはしなかったが、この姉さんにはどうだい。六十六銭五厘のうち、一人で五十銭の酒手をお出しなすったのはこのかただよ。あの腕車より迅く行ってもらおうと思やこそ、こうして莫大な酒手も奮もうというのだ。どうだ、先生、恐れ入ったか」
鼻蠢かして世話人は御者の背を指もて撞きぬ。渠は一言を発せず、世話人はすこぶる得意なりき。美人は戯るるがごとくに詰れり。
「馬丁さん、ほんとに約束だよ、どうしたってんだね」
なお渠は緘黙せり。その脣を鼓動すべき力は、渠の両腕に奮いて、馬蹄たちまち高く挙ぐれば、車輪はその輻の見るべからざるまでに快転せり。乗り合いは再び地上の瀾に盪られて、浮沈の憂き目に遭いぬ。
縦騁五分間ののち、前途はるかに競争者の影を認め得たり。しかれども時遅れたれば、容易に追迫すべくもあらざりき。