Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
げかしつ
高野聖
泉 鏡花
Lisez 高野聖 (げかしつ) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 51 264 caractères · 104 écrans
「これは与られないよ」
「与れなけりゃ、ふんだくるばかりだ」
「遣っつけろ、遣っつけろ!」
その声を聞くとひとしく、白糸は背後より組み付かれぬ。振り払わんとする間もあらで、胸も挫ぐるばかりの翼緊めに遭えり。たちまち暴くれたる四隻の手は、乱雑に渠の帯の間と内懐とを撈せり。
「あれえ!」と叫びて援いを求めたりしは、このときの血声なりき。
「あった、あった」と一個の賊は呼びぬ。
「あったか、あったか」と両三人の声は※えぬ。
白糸は猿轡を吃されて、手取り足取り地上に推し伏せられつ。されども渠は絶えず身を悶えて、跋ね覆えさんとしたりしなり。にわかに渠らの力は弛みぬ。虚さず白糸は起き復るところを、はたと仆されたり。賊はその隙に逃げ失せて行くえを知らず。
惜しみても、惜しみてもなお余りある百金は、ついに還らざるものとなりぬ。白糸の胸中は沸くがごとく、焚ゆるがごとく、万感の心を衝くに任せて、無念已む方なき松の下蔭に立ち尽くして、夜の更くるをも知らざりき。
「ああ、しかたがない、何も約束だと断念めるのだ。なんの百ぐらい! 惜しくはないけれど、欣さんに済まない。さぞ欣さんが困るだろうねえ。