Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おに
鬼
江戸川 乱歩
Lisez 鬼 (おに) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 30 138 caractères · 60 écrans
殿村は、幸吉が何を物好きに、こんな変てこな女を愛したのかと疑いながら、兎も角も、幸吉の拘引せられた顛末を語りきかせ、犯罪の当日、彼は本当に雪子を訪問しなかったのかと訊した。
すると、何という冷淡な女であろう、雪子は恋人の拘引をさして悲しむ様子もなく、言葉少なに、その日幸吉は一度も来なかった旨を答えた。
殿村は話している内に、段々変な気持になって来た。雪子という女が、感情を少しも持たぬ、人造人間か何かの様にさえ思われて、一種異様の不気味さを感じないではいられなかった。
「それで、あなたは、今度の事件をどう思います。大宅君が人殺しなぞ出来る男だと思いますか」
少々癪に触って、叱りつける様に云うと、相手は相変らずの無感動で、
「あの人が、そんな大それたことをなさるとは思われませんけれど……」
と実に煮え切らぬ返事だ。
この女は恥かしがって感情を押し殺しているのか、真からの冷血動物なのか、それとも若しかしたら、幸吉をそそのかして鶴子を殺害せしめた張本人である為に、その罪の恐怖に脅え切て、こんな様子をしているのか、全くえたいの知れぬ、不思議な感じであった。
彼女が何かにひどく脅えていることは確で、丁度その家の裏が停車場の構内になっているものだから、絶えず機関車の往き来する音が聞え、時々はすぐ窓の外で、鋭い汽笛が鳴り響く