Classiques japonais avec furigana
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まぞう
魔像
林 不忘
Lisez 魔像 (まぞう) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 131 494 caractères · 260 écrans
「いや、解りました。解りましてございます」
何だ、まだそこにいたのか……というように、忠相の眼が音松へ向って、
「よい、よい、行け」
切長の眼が、射るように音松の横顔に据わっていた。
三
切長の眼が、射るように喬之助の横顔に据わっていた。
荒木陽一郎だ。
畳に両手を突いた不動の伏像――喬之助を包囲して、瞬間、声もなく立ちはだかっていた十三人の番士と源助町の一統の中から、ワヤワヤと声が沸いた。
「飛んで火に入る夏の虫とは、まったくうまいことを言ったものだな」
「しかし、よくもこう大勢お歴々の揃っておる場所へ、図々しく現れたものじゃな」
「四番首まで討って、天下に怖いものなしと、己惚れが嵩じておるのじゃよ」
「喬之助討取策の協議中に、当の喬之助が顔を出すとは、あまりお誂え過ぎて、呆気ないワ」
「が、いつの間にどこからはいりこんだのであろう……」
「そッと入り込んで、吾れわれの話に加わっておったのじゃ。それにしても、元日の時そのままに、ああして、何を言われても動かぬところ、彼奴なかなか芝居気がござるテ」
こうなれば、今でも直ぐに討ち取れると思うので、一同は喬之助を前に、にやにや笑いながら、大声に話し合っていると、実際、喬之助は、元日の時そのままに、何と言われても身動きだにしないでいる。