Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぎょもん
魚紋
吉川 英治
Lisez 魚紋 (ぎょもん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 582 caractères · 30 écrans
『春作さん!』
お可久は、彼の繩を解いて、そして、手頸を引っ張るようにして叫んだ。
『おまえと暮しましょう。他国へ行って』
――だが、その時、永代橋を踏み鳴らして、ここへ一瞬に駈けつけて来た町方と捕手は、逃げかけるお可久を追いつめて、
『おふさ! もう汝の仮面はきかねえぞ』
と、高手小手に縛めてしまった。
その人々の騒々と云っている言葉を綜合してみると、お可久という名も、大名のお部屋様だったなどという事もみんな嘘で、ほんとは、日光山の中院の僧の隠し子で、土地の宿屋の娘という事になっていたが、性来の毒婦型の女で、家を飛び出してからは上方は勿論、長崎から諸国を流れあるいて、行く先々で、豪華な悪の生活をしていたという札付きの女であるらしかった。
春作は、裸足のまま、本所の家まで走ッて帰った。生きている顔いろもなかった。
戸を閉めきった儘、彼は、二日も外へ顔を出さなかった。けれど、彫兼のおやじが、その日も又、催促に来て、外から戸をたたいた。
『あ、描けているよ』
春作は、ふた晩も寝ていない眼をして、十数枚の画稿を、すぐそこへ持って来て渡した。
『え、ほんとですかい?』