Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
りぎょ
鯉魚
岡本 かの子
Lisez 鯉魚 (りぎょ) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 795 caractères · 12 écrans
衣の袖を襷に結び上げ、竹箆を斜に構えた僧も二三人見えます。もし昭青年がちょっとでも言葉に詰まったら、いたく打ちのめし、引き括って女と一緒に寺門監督の上司へ突出そうと、手ぐすね引いて睨めつけています。
大衆が入り代り立ち代り問い詰めても、昭青年はただ
「鯉魚」と答えるだけでした。
「仏子、仏域を穢すときいかに」
「鯉魚」
「そもさんか、出頭、没溺火坑深裏」
「鯉魚」
「這の田舎奴、人を瞞ずること少なからず」
「鯉魚」
「ほとんど腐肉蠅を来す」
「鯉魚」
これでは全く問答になっていません。大衆はのっけに打ってかかってもいいようなものの、昭青年の意気込みには、鯉魚と答える一筋の奥に、男が女一人を全面的に庇って立った死物狂いの力が籠っています。大概の野狐禅では傍へ寄り付けません。大衆は威圧されて思わずたじたじとなります。
そのうち昭青年の心理にも不思議な変化が行われて来ました。はじめ昭青年は、問答に当って禅の古つわものとの論戦に、あれこれ言ったのではかえって言いまくられるであろうから、勝負は時の運に任して、幸い師の三要から暗示を与えられた鯉魚の二字を守って、守り抜こうと決心したのですが、どの問いに対しても鯉魚鯉魚と答えていると、不思議にもその調法さから、いつの間にか鯉魚という万有の片割れにも天地の全理が籠っているのに気が付いて