Classiques japonais avec furigana
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にしんぎょじょう
鰊漁場
島木 健作
Lisez 鰊漁場 (にしんぎょじょう) de 島木 健作 (しまきけんさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 24 483 caractères · 49 écrans
じゃがいも、唐もろこし、麦、稗、大豆の類を主食にし、その間にわずかに天井粥をすすって米の味をしのんでいる彼らにとって、その二俵はどうしても夏まで食いつながねばならぬ食料だった。その大切な命の綱を金に代えたのも、だが源吉にいわせれば考えに考えた末であった。その金を何倍にもし帰りの橇には何俵もの米を積んで帰る心算でいたのである。そうして彼がそんな考えを起すようになったというのも、もとをただせば小作料と税金の滞納と借金とにその原因があったのである。それらに責め立てられる苦しさから、なんとかして脱れ出ようとするあがきのはてがそういうことになったのだ。――二俵の米に執着し切った彼の頭はしかし、車座になって勝負を争ったその最初から乱れていた。骸子ころを睨んでいる彼の目は血走り、息はせわしくはずんでいた。焦立てば焦立つほど、だがいい目は出ず、ついには骸子そのものに一つの意志があって、源吉の上にばかり意地わるく働きかけてくるような気さえするのだった。最後の一勝負が終ったとき、彼は荒々しく叫んで立上り、口ぎたなく人々を罵り、そのまま外へとび出してしまった。暗夜の吹雪のなかを彼はあてもなく彷徨した。