Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なるとひちょう

鳴門秘帖

吉川 英治

Lisez 鳴門秘帖 (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 56 957 caractères · 114 écrans

Aozora Bunko

「山鳥か何ぞでござりましょう」と打ち消すと、

「おお、あんな所に」

「何をお見つけなさりました」

「わしが昨日射た流れ矢の先がチラと見える」

という声を聞いて、隠れていた世阿弥はハッと思ったが、もうなおのこと身を動かすことはできない。

「あれは秘蔵の鷹の石打じゃ。あとで誰かに流れを越させて、拾っておいてくれるように」

「承知いたしました」と、啓之助が答えるのと一緒に、竹屋三位、不意に、ヤッと叫んで小手をひるがえした。矢羽の先が浮いている木の葉の中へ、小柄を投げて試したのだ。

それでも、何のそよぎもしないので、かれは初めて心をゆるしたが、小柄を打ったはずみに、己れのふところから金襴皮の料紙入れが落ちて、ズズズと岩の間へ辷りこんだのを知らずにいた。

倶利伽羅坂の方から、にわかに、殺気だった人声がしてくる――。

精悍な装いをした阿波の原士の十数人、一人の武士の両腕をねじとって、無二無三に引きずり上げてきた。それは脱走をもくろんで捕われてきた俵一八郎。見違えるほど痩せ細って、頬骨は尖り、目は青隈をとったよう、眉間にも血、腕にも血、足にも血……。ふた目とみられぬ姿である。