Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
なるとひちょう
鳴門秘帖
吉川 英治
Lisez 鳴門秘帖 (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 56 957 caractères · 114 écrans
「私の尋ねてゆく人って? ……」
「トボけちゃいけませんや、お前さんの旦那様だ」
お米はほろ苦い顔をした。
仔細をきくと、甲比丹の三次は、去年以来、禁制の密貿易をやるぬきやの仲間とちりぢりばらばらになって、諸方の港場を流れていたが、うまい仕事も見つからないので、これから尋ねてゆく森啓之助に、身の振り方をつけて貰うのだといった。
「なんだい、この虫ケラは?」
と側にきいていた宅助は、その虫のいい言い草と、三次の図太い面構えにあきれている。
お米とすれば、もと大阪の店へ来つけた客ではあり、啓之助とこの男と、どんな関係があるかないかも知らないので、話に釣られながら、肩を並べて歩きだすよりほかなかった。
「ふざけた野郎だ」
虫の納まらない仲間の宅助、後から来て先へ立った甲比丹の三次へ、突ッかけるように、
「おい!」と声をかけた。
「なんでえ!」語気が同じに弾んでくる。
「どこへ行くんだ、てめえは一体」
「今もいったとおり、森様へ用向きがあるんだ。城下のお屋敷をたずねたところが留守、じゃテッキリと思って、お米さんの妾宅へ行ったところが、そこも留守だ。で、だんだん探ったところが、吉野川を舟でお前たちが上ったということが知れたから、やッとこうして道づれになれたてえものよ」