Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なるとひちょう

鳴門秘帖

吉川 英治

Lisez 鳴門秘帖 (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 56 957 caractères · 114 écrans

Aozora Bunko

「今し方のこと、当家へわらじをぬいだ男女がある筈、それをここへ呼びだして貰いたい」

「おまちがいではございませんか……私どもには、いっこうそんなお客様は」

「隠すな! たしかに見届けてまいったのだ」

「いえ、決して、隠しなどを」

「では出せ、その者をこれへ出せ!」

「でも、そういうお客様は、ハイ、今し方ならなおのこと、男女づれのお泊りはございませぬ」と、一角の威嚇を巧みにうけて、どこまでも善七が言いぬけていると、側にみていたお十夜が、ちぇッと、歯がゆそうに癇を起こして、

「やい、亭主、甘くみてたかをくくっていると、気の毒だが、土足で家探しという荒療治になるぞ、いくら茶代をハズまれたかしらねえが、それとこれと、どっちが算盤玉に合うか、よく考えて返辞をしろ」

これはまるでムキ出しな浪人伝法。一角ほど肩肱は張らないが、その代りに、黙って刀が先にものをいいそうだ。

大湯の八間燈や宿屋の軒行燈にちょうど灯の入る刻限なので、退屈な温泉の客と入りこんでくる旅人が、たちまち輪になって、会田屋の前をふさいでしまった。

「見世物ではないぞ、なんでそこらに立つか! あっちへ行け、あっちへ行け」