Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
なるとひちょう
鳴門秘帖
吉川 英治
Lisez 鳴門秘帖 (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 56 957 caractères · 114 écrans
「あっ」
と万吉、もう言いのがれの及ばぬはめ、手を振りきって立とうとすると、原士の者と一緒にうしろに立っていた旅川周馬が、
「どこへ行く」
たぶさをつかんで後ろへ仆した。
それを眺めながら、孫兵衛、手も出さずに苦笑いをかすめさせて、
「よせよ、万吉、そのジタバタが野暮というものだ。てめえも天満の万吉とかいって、二十五万石の大国へ十手を振りあげた男じゃねえか。その上望みどおりに剣山で、生涯終らしてやるという迎えの御人数へ、手対いをしては罰があたるぞ」――孫兵衛の言葉が続いているうちであった。もちの木坂の裏道から、樹葉を分けて駈け登ってきた編笠の男。
息がきれたか、途中の岩石に立ち、ホッと麓のほうへ眼をつけていたが、やがてまた、栗鼠のごとき素早さで、岩や根笹をつかみながら、一同のいる平地の一端へその姿を躍り立たせた。
何か? ――という気色で、皆の眼がハッとそれへ惹きよせられていると、編笠の男はさらにそこでも下のほうへ向って、耳へ手を当てていたが、
「方々、静かにしろ!」と手を振った。
そして一足跳びに疾走してきながら、編笠をそこへ叩きつけ、意気軒昂な眉をあげて、