Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

とびとかきととり

鳶と柿と鶏

豊島 与志雄

Lisez 鳶と柿と鶏 (とびとかきととり) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 493 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

顔の美醜や、肉附の多少や、声の清濁や、行儀作法、そういうものとは全く別な、何か自然的な女性的な柔かな香りとでも云えるものがあり、そうした雰囲気を濃く立てる者ほどすぐれた文章が書けるのであり、文章は謂わばその雰囲気から萠え出るのである。とそう吉村は観ていた。勿論、多少の例外はあり、また偉大な創作などについては別問題だが、普通の婦人の普通の文章などについてのことである。然るに君枝は、かなり美貌の方ではあるが、吉村の所謂女らしい雰囲気にひどく乏しかったし、その文章も吉村の持論を裏付けるようなものだった。

君枝の心境を打診する手掛りも得られず、彼女自体にも興味が持てず、ただ時間を取られるだけなので、吉村は凡てを後のこととして、仕事を真正面に押し立て、出来る限り宿の室に引籠った。然し宿屋の庭まで先方からよく散歩に来たし、大抵李が一緒だったし、李には吉村は一種の愛情が持てるのだった。

夕食後など、三人で磯辺を歩いたりすると、へんに話がちぐはぐになった。君枝はすぐに、文学や思想の問題へ話を持ってゆくし、李は貝殻や魚類や樹木や雲の色などに話を持ってゆくし、話し手の男女の性を倒錯したようなその話の間に吉村は挟まり、両方から彼へばかり話しかけてき、彼はただ返事をするだけにしておいた。