Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

Lisez 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) de 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 127 675 caractères · 254 écrans

Aozora Bunko

という文句がよく出ていました。実物大といいましょうか、どうもよほど大きいようで、どこでもあんなものは見かけませんが。それが下手な絵なので、見苦しいと思いました。

通りの向いに大丸といって、そこらでの大きな呉服店があって、しっかりした土蔵造りでした。店の前に幅の広い紺の暖簾に大丸と染めたのが、いくつか斜に往来へ出ていて、縁にかなりの幅の真田紐が附いて、石が重りになっていました。その間から這入りますと、番頭が幾人か並んでいて、お客さんはその前へ腰を掛けて買物をするのでした。天井から美しい帯地や反物が頭の上へ下げてあるのは、目新しい品を目に附くようにするのです。何か品をいいますと、後に立っている小僧さんが、元気な声で、「はーい、はーい」といいながら、走って蔵から持ち出して来ます。客の絶間もありません。阿部様、土井様、酒井様、亀井様、近くの華族の邸は皆出入です。私どもが曙町へ移って間もない頃、そこらに火事があって、私の家は高台ですからよく見えます。大丸の棟を火が走ったかと思いましたが、助かりました。何んでも鳶の者が棟の上に並んで消したとかいいました。そんな旧家は段々に寂れて、アパート式にもなったようですし、銀行にもなりましたが、いつかその跡もなくなりました。