Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こうのすにょうぼう
鴻ノ巣女房
矢田 津世子
Lisez 鴻ノ巣女房 (こうのすにょうぼう) de 矢田 津世子 (やだつせこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 884 caractères · 24 écrans
普通、服地とか袖口とか裾よけとかになるレース地は、絹物、ジョーゼット、木綿、人絹などいろいろあって、機械にかける前、十ヤールに縫合せる。機械済みのを仕上げのミシン場へまわして、あとは晒しに出す。ぎんは入りたてミシン場で働いた。それから機械場へまわされた。一台に二人、裏と表につくのである。糸の切れ、針の折れを視て歩く。眼玉を皿にして注意する。しょっちゅう片側歩きなので、しぜん肩が凝ってしまう。六台に一人あたり、班長が休みなしに見廻っているのでくさめをするまもない。ぎんものちには班長になり、女では一人っきりの監督にまで上ったけれど、機械に附き添う愉しさは格別であった。
工場にはたった一台、米国から取り寄せたという特製の機械があったけれど、これはぎんでなければ動かせなかった。他の者では機械がいうことをきかないのである。無理をして針に刺されるのが怖さに、誰れも手を出さなかった。これは織目の緻密な総レースをつくり出すのである。仕上り品は主に極上品のカーテン地として売り出された。ぎんは、この機械のことで明け暮れた。どんな小さな埃りでも指のはらで丁寧に払った。