Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まど

鷹野つぎ――人と文学

鷹野 つぎ

Lisez 鷹野つぎ――人と文学 (まど) de 鷹野 つぎ (たかのつぎ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 840 caractères · 43 écrans

Aozora Bunko

いた。挙動が粗野で、口の利きかたも乱暴な、老いた頑くなの附添婦にさえ顔色を窺っている病人もあるのに、小谷さんには私は感謝もしきれないと思った。

「お母さんにはずっと小谷さんが附いていてくれて、よかったですね」

息子も娘も見舞に来た時折りには、これを云った。

「ところが困ることが一つだけあるんでね」

「なんです、お母さん」息子はふしぎそうにしてたずねた。

「小谷さんは信者なんでねえ」

「たいへん良いことじゃありませんか」

「そうですよ、お母さんも感心しているんだけれど、あまりその方面の話はまだしていないの。どうもこのせつぼんやりしていたくてねえ」

「人間の微力という自覚からも信仰にはいれると思うけど」

「小谷さんのは、初めから献身的なんですよ」

「いや、ほかの人の場合では」

そう会話しているうちに、もう私の気持は全くこのような会話はどうでもよいと思われるほど、別の思いで、占められていた。一家の離散をあとに病児と共に入院してきた私には、現在息子と娘とが共力して彼等の小さな家を支えていることが、容易ならぬ困難に想像された。自力で開拓して行く道は勉学よりほかないと云い、自宅で幾人かの生徒を教えつつ目的に向い、妹はこの兄の志の徹る日を援けるかの如く会社の勤めに通うていた。