Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まど

鷹野つぎ――人と文学

鷹野 つぎ

Lisez 鷹野つぎ――人と文学 (まど) de 鷹野 つぎ (たかのつぎ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 840 caractères · 43 écrans

Aozora Bunko

露草、野菊、蚊帳つり草、風ぐさなどは私の眼にはささやかでも、本物に咲く草花と一緒に好もしかった。で、私はそれらをえり分けて花瓶に挿した。

暑さが募ってきてからは、とよ子は手まわりの用事にもけだるさを見せていたが、たずねてみると、腸の工合がわるくなって困ってるとのことだった。

もう十日ほどもとよ子の許へは誰れも来なかったので、私が代って検温に来た看護婦の主任さんに、とよ子さんの苦痛を伝えてあげた。主任さんは

「そういう変化は一日でも二日でも黙っていては困りますよ。投薬の関係もありますからね」ととよ子に注意した。

かの女はあとでなんとなく寂しい顔つきを見せて、静かに臥っていた。

「もうだいぶお家から見えませんね」

「ええ、私も毎日毎日私の窓から見える野道の方を見詰めていますの、長兄の白麻の洋服はどんな遠くからでも見わけられますもの」

「もう、そう云っている間に来られるかもしれませんよ」

「でもたいてい、あなたのおじさまの姿が歩いてこられるんですもの」

「もう見分けられますの」

「ええ豆粒みたい遠くからでも。おじさまはご親切ね、私の掌の傷をあんなに心配したりして」

坂上とよ子が元気がなくなってからは、私も妙にさびしかった。