Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おうむぐらかえくびでんせつ

鸚鵡蔵代首伝説

国枝 史郎

Lisez 鸚鵡蔵代首伝説 (おうむぐらかえくびでんせつ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 083 caractères · 26 écrans

Aozora Bunko

「旦那様アーッ」

なおお篠は、雄之進の足へ縋り付こうとした。

しかしもうその時には、――蔵の中に隠れ住むことにさえ責任を感じ、家の名誉と、愛する妻の幸福のために、今度こそ本当に、帰らぬ旅へ出て行こうと決心し、愛し愛し愛し抜いている妻の、俤を備えている代首、それだけを持った雄之進は、竹藪を分けて歩み出していた。

「妾もご一緒に! 雄之進殿オーッ」とお篠は後を追った。竹の根につまずいて転んだ。起き上って後を追った。またつまずいて仆れた。起き上って後を追った。いつか竹藪の外へ出た。茫々と蒼い月光ばかりが、眼路の限りに漲ってい、すぐ眼の前に、鸚鵡蔵が、白と黒との裾模様を着て立っていたが、雄之進の姿は見えなかった。絶望と悲哀とでお篠は地へ仆れた。そこで又愛し憐れみ尊敬している良人の名を、声限りに呼んだ。

「雄之進殿オーッ」

声は鸚鵡蔵へ届いた。

鸚鵡蔵は、「雄之進殿オーッ」と木精を返したか? いや、鸚鵡蔵は沈黙していた。

しかしどこからともなく、哀切な、優しい声が、

「お篠オーッ」と呼び返すのが聞こえた。

「あ、あ、あ!」とお篠は喘いだ。

「ご病気でお声さえ出なくなった旦那様が、妾の名を、妾の名を、お篠オーッと……」