Classiques japonais avec furigana
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ああぎょくはいにはなうけて
ああ玉杯に花うけて
佐藤 紅緑
Lisez ああ玉杯に花うけて (ああぎょくはいにはなうけて) de 佐藤 紅緑 (さとうこうろく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 617 caractères · 250 écrans
哀れ文子は四苦八苦の死地に陥った、かの女は去るにも去られなくなった。と階段の音が聞こえてひとりの学生が現われた。
「やあ」
文子は顔をあげた、それは兄の友の手塚であった。かれはロシアの百姓が着るというルパシカに大きな縁のあるビロードの帽子をかぶっていた。
「どうしたの? 文子さん」とかれはいった。文子は手塚の腕にすがりついてなきだした。
「お前達はどうかしたんじゃないか」と手塚はなじるように一同に向かっていった。
「なにもしないよ」とろばがいった。
「悪いことを教えると承知せんぞ」
手塚の語気はますます鋭い。
「いやにいばるのね」と新ちゃんがいった。
「だまってろ」と手塚はどなりつけて文子の涙をハンケチで拭いてやり、
「心配しなくてもいいよ、さあ僕と一緒に行きましょう」
手塚につれられて文子は外へ出た、文子は歩きながら一伍一什を手塚に語った。
「わかってるよ」と手塚はいかにも侠客のような顔をしていった。
「あいつらはね、あなたをわなにかけて銭をゆすろうて計略なんだ、ぼくが引きうけていいようにするから安心していらっしゃい」
「でも私新ちゃんに四十銭と活動のお銭を返さなきゃならないわ」