Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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あとがき(『みやもとゆりこせんしゅう』だいいっかん)

あとがき(『宮本百合子選集』第一巻)

宮本 百合子

Lisez あとがき(『宮本百合子選集』第一巻) (あとがき(『みやもとゆりこせんしゅう』だいいっかん)) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 006 caractères · 5 écrans

Aozora Bunko

「羅生門」などを発表し、菊池寛が「無名作家の日記」を発表したりした時代であった。婦人作家として、野上彌生子が「二人の小さきヴァガボンド」を発表し、ヨーロッパ風な教養と中流知識人の人道的な作風を示した。「焙烙の刑」その他で、女性の自我を主張し、情熱を主張していた田村俊子はその異色のある資質にかかわらず、多作と生活破綻から、アメリカへ去る前位であった。

こういう文学の雰囲気の中に素朴な姿であらわれた「貧しき人々の群」は、少女の書いたものらしく、ロマンティックな色彩と子供っぽい社会観をもっていても、日本の農村の或る生活を、リアリスティックな筆致で描き出したところに特色があった。若い作者のおどろきに見はられた眼と心とを通じて、そこに描かれている穢いものまで、それが生活であるという真面目な光りを浴びている。中流の少女が、自分の環境から脱け出て、荒々しく生活の沸騰している場面に取材したということも、一つの特色であった。そして更にもう一つの特色は、この小説で、作者自身が自分の生きかたと文学とについて、一種の公約をしている点である。作者は、それが公約であるとは知らず、ただ心いっぱいの思いで、悲しい同胞よ、わたしはいつかきっとあなたがたの、もっとよい友となる、と約束している。