Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あるふゆのばんのこと
ある冬の晩のこと
小川 未明
Lisez ある冬の晩のこと (あるふゆのばんのこと) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 4 140 caractères · 9 écrans
このとき小さな足音が、すぐ前にしたかと思えば、
「おばさん、花を持ってきましたのよ。これをかいでごらんなさい、きっと今年は、しあわせなことがありますから。」といって、少女は一束の花を女の手に渡しました。
「まあ、なんの花でございますか? 私は、目が見えないが、どんなに、美しいことでしょう……。」と、女はいいました。
「おばさんのような、やさしい、いい人が、いつまでも苦しむなんていうことは、ありませんもの。」と少女はいったのでした。
この少女は、青い空へ、吸い込まれてしまったものか、そのまま音もなく、影を消してしまった。後で、女は、花束の香りをかぎました。それは、春はやく咲く、ヒヤシンスに、フリージアでした。そして彼女は、花の香をかいでいるうちに、ふと弟のことを思い出したのです。弟は外国へいって幾年にもなるが、消息が絶えていました。
「もしかすると、弟が帰ってくるのではないかしらん。」と、彼女は空想しました。
すると、彼女の胸を悲しく、閉じこめていた氷が解けるような気がしました。そして、どこを見ても、まだ冬空であったが、春の風が、町や、木立を吹くような気がしました。