Classiques japonais avec furigana
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いたずらこぞうにっき
いたずら小僧日記
佐々木 邦
Lisez いたずら小僧日記 (いたずらこぞうにっき) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 63 226 caractères · 128 écrans
とうとう馬は駄目になってしまった。何を約束したって、未だ貰った経験がない。何故乃公はこんなに運が悪いのだろう。
十日ばかり前の事であった。忠公が南京鼠を呉れる約束をして置いてなかなか持って来ないから催促してやった。すると忠公は未だ子が生れないからやれない。その代りに他の物なら何でも上げると言訳した。乃公は南京鼠なら欲しいが、他の物は貰いたくない。
「それじゃ乃公のいう事を何でもするか。何でもすれば勘弁してやる」
「何でもする。するけれど何時か見たいに汽車の線路へ油を塗くのは可厭だな」
「なあに其んな事じゃない。訳もない事だ」
乃公の家から十町ばかり行くと、天岳寺というお寺がある。此寺内に義士の墓がある。その墓の入口には『ぎしはか』という大きな看板が出ている。赤地に白で書いたもんだ。乃公は以前から此の『ぎしはか』のはの字に濁点を打ちたいと思っていた。それで早速此仕事を忠公に命い付けた。
「白墨でもいいかい」
「白墨じゃ直ぐ消えてしまう。ペンキでなくちゃ」
「ペンキなんか無いじゃないか」
「ペンキは学校にある。此間から塀を塗り替えているから少し持って来ればいい」
「筆がない」