Classiques japonais avec furigana
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いなか、の、じけん
いなか、の、じけん
夢野 久作
Lisez いなか、の、じけん de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 535 caractères · 78 écrans
文作は青くなったり、赤くなったりして、首肯首肯聞いていたが、そのうちに立っても居てもいられぬようにソワソワし始めた。和尚の志の茶づけを二三杯、大急ぎで掻き込むとそのまま、霜解けの道を走って帰った。
ところが帰って来て見ると、文作が心配していた以上の大騒ぎになっていた。
文作が昨日のうちに、軒下から孩児の骨を掘り出したまま、どこかへ逃げてしまっている。女房はそれを聞くと一ペンに血が上がって、医師が間に合わぬうちに歯を喰い締めて息を引き取った……というので文作の家の中には、村の女房達がワイワイと詰めかけている。家の外には老人や青年が真黒に集まって、泥だらけの白骨を中心に、大評議をしている……というわけで……そこへ文作が帰って来たのであったが、女房の死骸を一眼見ると、文作は青い顔をしたまま物をも云わず外へ飛び出して、村の人々を押しわけて、白骨の置いてある土盛りの処へ来た。ジイッと泥だらけの白骨を見ていたがイキナリその上に突伏して、
「兄貴……ヒドイ事をしてくれたなア……」
と大声をあげて泣き出した。
人々は文作が発狂したのかと思った。けれども、そのうちに、駐在所の旦那や区長さんが来て、顔中泥だらけにして泣いている文作を引きずり起こすと、文作は土の上に坐ったまま、シャクリ上げシャクリ上げして一伍一什を話し出した