Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おばなさわ

おばな沢

山本 周五郎

Lisez おばな沢 (おばなさわ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 479 caractères · 45 écrans

Aozora Bunko

母は気にするようすもなく、安穏な顔つきで立っていった。

節子は独りになってから、英之助の手紙をとり出して読みなおしてみた。七通あるうちの四通めから、尾花沢の生活ぶりが少しずつ書いてある。ごく断片的で、どことなくぼかしたような筆つきであるが、彼が二十人の弓組を支配していること、増築した番所がほんの仮小屋で、冬になったらさぞ寒いだろうということ、勤務というほどのものはないが、絶えず危険に備えていなければならないことなど、そうしてこれらの事は決してひとに話さないようにと、くどく念が押してあった。

父の三郎左衛門は筆頭年寄役だし、兄は奉行職寄合所の考査役だから、藩の重要な事は知っていなければならない。

もちろん知っていても家庭などでそんな話をするわけはないが、出入りの人も多いし言葉の端はしや動静で、どうしたってわからずにはいないものだ。――

それが尾花沢については、英之助が支配になってゆくまでわからず、彼が出張して八十日ちかく経っているのに、なにひとつ知ることができないのである。

尾花沢は大仏山の嶮しい嶺つづきで、隣藩との境界に当り、古くから番所があった。