Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おりつとこらと

お律と子等と

芥川 竜之介

Lisez お律と子等と (おりつとこらと) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 25 195 caractères · 51 écrans

Aozora Bunko

賢造は半ば冗談のように、心細い事を云いながら、大儀そうに食卓の前を離れた。それから隔ての襖を明けると、隣の病室へはいって行った。

「ソップも牛乳もおさまった? そりゃ今日は大出来だね。まあ精々食べるようにならなくっちゃいけない。」

「これで薬さえ通ると好いんですが、薬はすぐに吐いてしまうんでね。」

こう云う会話も耳へはいった。今朝は食事前に彼が行って見ると、母は昨日一昨日よりも、ずっと熱が低くなっていた。口を利くのもはきはきしていれば、寝返りをするのも楽そうだった。「お肚はまだ痛むけれど、気分は大へん好くなったよ。」――母自身もそう云っていた。その上あんなに食気までついたようでは、今まで心配していたよりも、存外恢復は容易かも知れない。――洋一は隣を覗きながら、そう云う嬉しさにそやされていた。が、余り虫の好い希望を抱き過ぎると、反ってそのために母の病気が悪くなって来はしないかと云う、迷信じみた惧れも多少はあった。

「若旦那様、御電話でございます。」

洋一はやはり手をついたまま、声のする方を振り返った。美津は袂を啣えながら、食卓に布巾をかけていた。電話を知らせたのはもう一人の、松と云う年上の女中だった。